診察のネタ探し

診察の時に話す内容に最近はトピックスを含めている。今回は以下の論文。

『統合失調症に見られた一過性聴覚失認の1症例』(無断引用)

　国際医療福祉大学熱海病院　耳鼻咽喉科　

　　　　神崎仁　原田竜彦　神崎晶✳︎　(敬称略)

　　　　✳︎慶応義塾大学耳鼻咽喉科

　純音聴力検査で正常範囲。語音弁別検査のみに異常がみられる。

音はわかるが言葉が分からない症状。統合失調症の一症状として聴覚失認が見られたのであろうと結論付けられている。もともと統合失調症の薬を服用していた。自宅でなく祖父母の家で介護していたのがストレスとなり、状況が悪化し、聴覚失認に至ったと考えられる。自宅に帰り環境を元に戻したことと統合失調症の薬に加えて抗不安薬の処方で聴覚失認は回復した。

　自分の症状に少し似ているが、自分のは一過性でなく7年間続いている。しかも薬が効かない。語音弁別検査を受けた訳ではないが、聞き取りがやや困難なのである。話す人によってはまるっきり分からないこともある。