mitsh’s blog

くだらない日記

川上の流れに (4)

〜進路を決めた本〜
電気関係の仕事がしたいと思うようになったのは、
兄の繁が手に入れた 初歩のラジオ と言う本である。
その中にはトランジスタの作り方、電気回路の説明
などがあり、三郎には興味をそそる内容だった。まだ
中学二年か三年の頃である。大学に行くなど全く考え
られない経済状況で、高校出たら就職するつもりで
工業高校の電気科に入った。

就職は出来たものの仕事の内容が難しく、もっと勉強
しないとまともな仕事が出来ないと感じ、先に自動車
の免許を取ってから、会社に併設の夜間の富士通工業専門学校
に入学し3年間夜学に通う。これで会社では短大卒の扱い
となる。

話は高校時代に戻る。オーディオ製品は家には無かったが、
義理の兄があるスナックから古いステレオを貰って、
我が家に持ってきてくれた。レコードプレーヤーはSP用で
壊れており、チューナーとアンプ、スピーカーは使えた。
面白いのはスプリング式のエコーチェンバーが付いていた
ことである。尤もこれも使いものにはならなかった。
しかしアンプ系が使えたので、あとはテープレコーダーが
あればラジオから録音すればいい。自分のギター演奏や歌
も録音できる。
テープレコーダーはどうやって入手したか憶えていない。
このシステムで井上陽水の「傘がない」を録音してよく聴い
たことを憶えている。

余談だが、実父は「女の道」をアカペラで歌ってテープ
レコーダーに吹き込んでいた。ちょっとばかし変拍子なの
が笑える。

もっと経済的に恵まれていたら、別の道もあったかも
しれないいが、これが三郎の選んだ人生である。